TOEICで最も受験者を苦しめる部分と言えば「リスニング・セクション」ではないでしょうか?
日本の学校英語ではリスニングは重視されないので、どうやって英語を聞けばいいのか?そもそもどうやってリスニングを勉強すればいいのか?わからないのも頷けます。
近年ではセンター試験にリスニングが導入され、入学試験で英語リスニングを課す大学(青山学院大や上智大など)も現れるなど、受験英語でもリスニングが重視されつつあります。
とはいえ、現在社会に出て働いているほとんどの方はリスニングにあまりなじみがありません。
特にTOEICの点数が500点未満の英語初心者は、リスニングセクションに頭を抱えている人が多いのではないかと思います。
今回はそんなTOEIC初心者におすすめのリスニング勉強法「音読」についてご紹介したいと思います。
この記事を書いたのは?
上智大学文学部英文学科卒。大手企業でOLをした後、小学生から高校生までが通う英語教室の先生に転職。出産を機に先生の仕事を離れ、現在は子育てをしながら英語コラムを執筆中。英検1級、TOEIC940点。
目次
なぜTOEICリスニング勉強法として音読が有効なのか?
なぜ音読がリスニングの練習になるのか?疑問に思っている人もいるかもしれません。
なので、まずはそれについて説明しましょう。
TOEIC初心者の方がリスニングセクションで点数を取れないのは、「英語の発音の仕組みを分かっていない。英語の音声に慣れていない。」という理由からです。
英語の発音の仕組みや英語音声に慣れるために、自分で英語を発音してみること(=音読)が効果的なのです。
自分で英語を発音すると、自分の声が耳から入って脳まで届き、英語を理解する手助けになります。
TOEIC500点未満の人は、いきなりTOEICのリスニング問題集に取り組むより、まずは音読練習法で英語を聴きとるための耳を鍛えましょう。
リスニング力をアップさせるための効果的な音読方法
TOEICリスニングを意識した音読練習をする場合、単に英文を読んでいては効果がありません。
ネイティブが音読するのを聞いて、それを真似する形で音読する。
「リピーティング」とか「シャドーイング」と呼ばれるこのトレーニングは、リスニング力アップに効果的であることがさまざまな研究結果から分かっています。
ネイティブのように発音できないのは当たり前ですが、大切なのはネイティブの真似をして発音すること。
恥ずかしがってはいけません。英語の音とリズムを脳に覚え込ませ、頭の中に英語回路を作るためです。
音読する教材はネイティブが発音したCD音源とスクリプトがあれば何でもいいですが、特に初心者の方におすすめしたいのがこちらの本です。
音読におすすめの本
そのものズバリのタイトルですね。
コチラの本は中学1年、2年の英語教科書から厳選された英文が掲載されいて、初心者の方が音読でリスニング力を強化するのにぴったりです。
CDもついていますので、CD音源に続いてリピーティング・シャドーイングの練習が出来ます。
リスニング勉強法としての音読で意識したいこと
リスニング力をアップさせるための音読では、英語の発音の仕組みを知ること、英語の音声に慣れることが一番大事です。
例えば、音と音が連なって発音される「リンキング」という、英語に特有の現象があります。
ネイティブが話す英語では「get it all done」を「ゲット・イット・オール・ダン」と発音せずに、「ゲリットールダン」と発音します(発音しているように聞こえます)。
これがリンキングです。
リンキング現象は日本人が英語を聞けない原因の一つになっているので、音読するときにリンキングを意識して発音することで、リスニング力を効果的に鍛えることが出来ます。
また英語特有のイントネーションも音読によって身に付けることが出来ます。
この日本語と異なる発音構造に慣れるために、リンキングやイントネーションを意識して聞こえてきた英語を真似ながら例文を音読するのが大切です。
音読に慣れないうちは、CDを聞いてまずは一文ずつ止めてそのまま真似をします。
慣れてきたら二文、三文聞いてから繰り返すようにします。
耳で英語を聴いて、口から発声して、自分の声がまた耳に戻るという回路を作っていくことで、英語の発音の仕組みや音声のからくりが分かってきます。
また、集中して英語を聞くことにより、単に聞き流すよりも「英語耳」を早く作ることが容易になります。
最終的には音読からそらで言えるように
CDを聞いてから真似するように例文を音読する練習を何度も繰り返し、すらすらと発音できるようになったら今度は例文を覚えてしまう練習をしましょう。
まずはCD音源を聞きながら例文を目で追って、自分が発音する番になったら顔をあげて教材を見ずに発音します。
これは「リード&ルックアップ(Read and look-up)」と呼ばれるトレーニングで、リスニング力を強化するための有名な方法です。
リード&ルックアップもできるようになったら、最終的には文字は何も見ずに聞こえてきた英語を覚えて、そのまま真似して発音する練習をします。
例文をすべて覚えてしまっても構いません。
とにかく最終的には音読から、聞こえてきた英語をそらでそのまま言えるようにしましょう。
聞こえてきた英語を暗記して発音できるようになると、同様の英語が発音されても聞き取れるようになりますし、文法の構造までも理解しながら聞き取るサポートになります。
暗記による勉強法は英会話学習にも有効です。
詳しくはこちらの記事に書きました。
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音読によるTOEICリスニング勉強方法・まとめ
TOEICリスニングセクションは多くの日本人が不得意とする部分です。
特に初心者の方は、どうやって勉強していいのか悩んでいると思います。
ここでご紹介した英語音読は、一見遠回りに思えるかもしれませんが、リスニング力UPにとても効果的。
聞こえてきた英語を真似しながら発音していくことで、英語を聴くための耳が養われます。
皆さんのTOEICリスニングセクション得点アップに貢献できれば幸いです
この記事を書いたのは?
上智大学文学部英文学科卒。大手企業でOLをした後、小学生から高校生までが通う英語教室の先生に転職。出産を機に先生の仕事を離れ、現在は子育てをしながら英語コラムを執筆中。英検1級、TOEIC940点。