日本語と英語では感覚がかなり異なります。
特に語順が大きく異なるため、言いたいことを英語で表現するのに多くの作業を要します。
日本語で考える⇒英語の単語やフレーズを思い浮かべる⇒英語の語順に並べ替える
このような作業に慣れることができないために、英語学習に挫折してしまう人も少なくありません。
このような日本語⇔英語の言い換えで起きるギャップがなくなった状態を表す言葉に
「英語脳」
というものがあります。
英語のことは英語で考え、理解するという発想です。
ネイティブの人たちが当たり前のようにしていることですが、非ネイティブである我々には難しい作業のように思えます。
それでも英語脳を身に付けることができれば、英語力が飛躍的に上達することは間違いありません。
今回は英作文力を鍛えるために、英語脳的な考え方で英文を構築する方法をご紹介したいと思います。
英語脳的英作文力の鍛え方1・まずは英語の語順ルールを理解する
中学、高校英語のおさらいをしましょう。
英語は下記の5つの型からなり、これらは基本文型と呼ばれています。
SVO
SVC
SVOO
SVOC
全てに共通しているのは、まず最初にS(主語)を置き、その直後にV(動詞)を並べるということです。
つまり英語では、"誰が何をする"とまず宣言をすることが特徴です。
その後に必要な情報を付け加えていくイメージです。
これに対し、日本語では言いたいことを最後の方に置く傾向があります。
実際に日本語と並べて比較してみましょう。
(日本語)私はハンバーガーを食べる
英語では主語の直後に、日本語では文末に"食べる"という意思が述べられています。
つまり、英語を話すのにいちいち日本語にしてから並べ替えるという作業をするのは効率が悪いと言わざるを得ません。
また、並べ替えの作業中に必要な情報を見失う、などということも考えられます。
これこそが日本人が英語を苦手とする理由の1つです。
では、日本人が英語の感覚を身に付けることができないかというと、そうでもありません。
以下に英語脳的な英作文力を鍛えるためのトレーニング方法をご紹介したいと思います。
この方法は、ライティング能力だけでなく、スピーキング能力を向上させるのにも有効です。
英語脳的英作文力の鍛え方2・とりあえずSVを完成させる
英語脳を鍛えて英語で言いたいことを言えるようになるためには、まずSVを完成させます。
文の主語と動詞です。
まず、主語は私(I)に限定し、言いたいことを頭に浮かべてそして宣言します。
動詞(go)を例にしてみてみましょう。
(私は行く)
最も言いたいことはSVの2語。
超シンプル構文ですね。
文法上はSV構文なのでこのまま完結することができます。
しかしどこか違和感を感じませんか?
日本語にしてみればよく分かりますが、"どこへ行くのか"、"何しに行くのか"がないため非常に中途半端なイメージです。
そこで、その他の情報をどんどん後ろに足していってみましょう。
ポイントは、後ろに足していくことです。
to the park (その公園に)
to play baseball (野球をしに)
every Saturday (毎週土曜日に)
これを最初からつなげると、
となります。
そのまま訳せば、「私は行く、その公園に、野球をしに、毎週土曜日に」となります。
日本語としてはおかしいですが、意味は理解できますよね。
語順を変えずに英語を英語のまま理解するのが英語脳ですから、これでいいんです。
最初にSVを決めてから、補足情報を後から足していくことで一文が完成しました。
この作業をもう一度まとめると、
②あれ、情報が足りないな?と違和感を感じる
③感じた違和感を元に必要な情報を動詞の後ろに次々と足していく
となります。
慣れないうちは並べる順番を間違えることもあるかと思いますが、まずは気にせず進めてみましょう。
少々語順が間違っていても意味は通じるはずです。
ただし一通り並べ終わった後には、google検索するなどしてその順番が正しいかどうかの確認もしておきましょう。
最初のうちは実際に書いてみると良いかもしれません。
英語脳的英作文力の鍛え方3・自問自答を繰り返す
英語で言いたいことを言えるようになるため、作文できるようになるためには英語の語順を理解し、まずはSVを作ってから肉付けしていくというトレーニング方法をご紹介しました。
では、このトレーニングのコツともいえる方法をご紹介しましょう。
やり方のコツは、ずばり自問自答です。
違う例文で見てみましょう。
I lived
(私は住んでいた)
質問)どこに?
⇒in Hawaii
(ハワイに)
質問)どのくらい
⇒for three years
(3年間)
(全体)
I lived in Hawaii for three years.
(私は3年間ハワイに住んでいた)
慣れてきたら関係代名詞も使ってみましょう。
関係代名詞もまた前に述べたことを後から補足する典型的な語句です。
I saw
(私は見た)
質問)何を?
⇒a girl
(女の子を)
質問)どんな?
⇒who was reading a book
(本を読んでいた)
質問)どこで?
⇒in the library
(図書館で)
(全体)
I saw a girl who was reading a book in the library.
(私は図書館で本を読んていた少女を見た)
さらに慣れてきたら主語を私(I)以外にする、過去形や未来形も使ってみるなどして表現の幅を広げていってください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
日本人が英語を学ぶのはやはり難しいことなのだと思います。
英語を英語のまま理解する英語脳を手に入れることは難しいですが、トレーニング次第で近づくことは出来るはずです。
英作文や英会話が苦手だという人は、ぜひこのトレーニング方法を試してみてください!