英語なんて中学レベルの文法で十分!
そんな言葉を耳にすることも多くなりました。
確かに、日常会話なら中学校で習う文法と語彙で事足りると思います。
でも本当に私たちは中学英語を真に理解しているのでしょうか?
たとえば未来形の"will"と"be going to"についてです。
中学校で英語を習ったとき、私たちは"will"と"be going to"どちらも、
「~するつもりである」
という、未来を表す表現として習いました。
なんで同じ意味なのに、2つの表現があるのかな?
などと疑問に思ったことはありませんか?
実はネイティブスピーカーは"will"と"be going to"の2つの未来形を使い分けていると言います。
逆に言えば私たちノンネイティブがこの2つを使い分けられれば、1つ上の英語力を身に付けられるということです!
そこで今回は"will"と"be going to"の意味やニュアンスの違いを解説し、この2つの違いをマスターして使い分け、さらなる英語力アップを目指したいと思います!
目次
willとbe going toのイメージの違い
皆さんは未来形についてどのような教育を受けたでしょうか。
少なくとも私が学校教育を受けた90年代はこのような試験問題がありました。
I will buy it = I () () () buy it
答)am going to
つまりwill=be going toは同義で、置き換えが可能であると教わったのです。
確かに日本語訳にするとどちらも"~しようと思う"となり、同じ意味であるように思えます。
しかし実際はニュアンスが異なり、ネイティブスピーカーは巧みに使い分けているのです。
willについて辞書で調べてみると、"意志"という意味の名詞も含まれていることが分かります。
ここで議論しているwillは助動詞ですが、実は助動詞のwillには「未来のことを確実に成し遂げたいという強い決定のニュアンス」も含まれているのです。
一方be going toの場合、going toの部分よりどこかへと向かうイメージが連想されます。
どちらかというとwillとは異なり、「決定された事項をどこか客観的に外から眺めているような印象」があります。
では例文を交えながら、その違いを具体的に見ていきましょう。
willとbe going toの使い分けは未来が決まったタイミング
次の場合、willとbe going toとではどちらがふさわしいでしょうか。
⇒うん、戻るよ
I () come back.
B)今度の夏休みはどこに行くの?
⇒フィジーに行くよ
I () take a trip to Fiji.
正解はA)がwillでB)がam (be) going toです。
ポイントはその未来の行動がいつ決まったかです。
A)の場合、"戻ってこられる?"と聞かれたその時点で戻ることを決めたはずです。
つまり、今まさに決めたということであり、その場合はwillが適用されます。
willを使うことによって、15時までに戻ってくる!という意思を示しているのです。
一方、B)の場合は聞かれた時点ではすでにフィジーに行くことが決まっていたと考えられます。
あらかじめ決まっている予定に対して述べる場合は、be going toが適用されます。
もしA)の例でam (be) going toを使ってしまうと「(戻ってこられるかどうかわからないけど)戻るつもりです」というニュアンスになり、質問者は「こいつ、本当に15時までに戻ってこれるのかな?」と不安に思うでしょう。
逆にB)の例でwillを使うと、「フィジーに行こうと思っている」という意思・希望を表すことになり、これからフィジーに行くための行動を起こす(航空券を買ったり、ホテルを予約したり)というニュアンスになります。
これから先に起こる行動に対しwillの方が自分の意志を表し、be going toの方がどこか俯瞰的に眺めているのが分かりましたか。
あまりピンとこない方は、willには"確実に~"を、be going toには"~することになっている"を付け加えてみてください。
B)フィジーに"行くことになっている"
少し大げさな印象にはなりますが、このような意識の違いがあります。
willとbe going toの使い分けは遂行に対する意識の度合いも重要
では次の例文を見てみましょう。
⇒I () finish my homework by 5pm.
この場合willとbe going toとではどちらがふさわしいでしょうか。
正解は、どちらの場合も考えられます。
ですが、その印象はやや異なります。
ここでもまた、willには"確実に~"を、be going toには"~することになっている"を付け加えてみてください。
I will finish my homework by 5pm.
⇒私は5時までに宿題を"確実に終える"予定だ。
(be goint toの場合)
I am going to finish my homework by 5pm.
⇒私は5時までに宿題を"終えることになっている"。
もう違いは明確ですね。
willの場合は宿題を終えることに対して強い意志が現れています。
一方be going toの場合、宿題を終えるということに対して淡々と取り組むような印象があります。
嫌々やらされているような感覚さえ感じられます。
まとめ
willとbe going toについての違い、ご理解いただけたでしょうか?
どちらも、「~するつもりである」という未来を表す表現として習ったと思いますが、2つの表現には実は微妙なニュアンスの違いがあったのです。
同じような意味を持つ別の語句に置き換えられる表現って英語にはたくさんありますよね。
でも100%意味が同じ表現だったら、わざわざ2つも3つもいらないですよね。
日本語の場合も、同じような意味だがニュアンスが異なる。(例えば“匂い”と“臭い”)
そのようなケースがあると思いますが、英語も同じです。
英語を学習する際は、フレーズが持つフィーリングを大切にすべきではないでしょうか。
それが語学力のより一層の向上につながると思います。