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英文法勉強のバイブル「英文法解説」が名著といわれている理由

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1953年に初版が発行され、最新の改訂版すらも1991年発行というロングセラー「英文法解説」(江川泰一郎/金子書房)

未だ絶版になることなく、一般の書店に置いてある優れた教材です。

英語のプロから受験生まで、幅広く読まれている知る人ぞ知る名著「英文法解説」の魅力、そしてこの本が名著と言われている理由について徹底解説したいと思います。
 

上級者向けだけど圧倒的に分かりやすい

私がこの本を入手したのは去年のこと。

翻訳の勉強をしていて、誤訳が多いことを指摘されて英文法をきちんとやり直そうと思っていたときでした。

「翻訳英文法」(安西徹雄/バベルプレス)という、そのものずばりのタイトルの本を見つけ読んでみました。

すると、翻訳ルールはこの本で伝えるが、英文法に関しては「英文法解説」を共通のテキストにしますと書いてあったのです。

なんだ、ステマか?と最初は思いましたが、調べてみるとどうやら「英文法解説」は文法解説書の名著だということだったので、即購入した次第です。

「英文法解説」はカラーのないモノクロ、イラストなどの図解説明もなく文字のみのため、本を手に取って初めて読んでみた印象は、学術書なのかな?というものでした。

実はこの本は、大学受験のみならず、翻訳家や英語講師などのプロが使うことを目的として作られています。

高校までの基礎英文法をひと通り理解している人向けで、決して英語初心者が気軽に手を出す類のものではありません。

上級者向けなので解説文に非常に多くの文法用語が使われていますが、説明自体はかみ砕いた解説になっているので、文字が小さいわりには読みやすいと感じます。

英文法についてはほぼすべての項目を網羅してていて、名詞から始まり各品詞を扱っていき、最後には特殊構文についてまで説明してあります。

やはりプロ向けのためか、こまごまとした文法ルールの説明は必要最小限のみですが、英文全体の構成に関わる重要事項は詳細に解説しています。

例えば状態動詞と動作動詞の相違について、進行形や完了形などの用法を正確に理解する上で役立つため、ある程度ページ数を割いています。

状態動詞:なんらかの状態を表している動詞。例えば「like」は「好き」という状態を表していて、好きという行為に体の動きはありません。好きという行動を定義できないのです。同じように「know(知る)」という動詞も、知るという行為に動きがありません。このような動詞を状態動詞といいます。

動作動詞:動作を表わす動詞。例えば「walk(歩く)」という動詞は、足を動かして前に進むという体の動き(=動作)を表しています。同じように「Speak(話す)」も、口を動かして声を出す動作を表します。このような動詞を動作動詞と言います。

「英文法解説」は、自分でインデックスを付けて辞書的な使い方をすることもできますが、一度は全部読んでみることをお勧めします。

やはりこの本も、英文法を体系立てて学んでいけるようになっているので、ピンポイントでかいつまんで読むより、全体の流れをまず掴むほうが疑問を解消しやすいからです。

例えばif節で過去形の動詞が使われていると、即座に「これは仮定法だ」と思い込んでしまう傾向がある人は多いです。

しかしこの本では、その間違いを直させるために、仮定法のif節の前に直説法のif節を解説しています。

そこに直説法にも過去形を使った例を出して説明しているのです。(直接法の過去形については下の解説参照)

このように、掲載の順番が考え抜かれているため、まずは最初から最後までの一読をしてみてください。

分厚いのですぐには読み終わりませんが、普通の読書感覚で読んでみても面白いと思います。

直接法:現実に起こりうることを仮定したif節を直接法という。いわゆる普通のif節。

例:If you are hungry, you can eat this apple. (もしお腹が空いているなら、このリンゴを食べてもいいよ。)

今現在、お腹がすいているということは現実にありうることなので、これは直接法のifです。この文を単純に過去形にするとこうなります。

例:If you were hungry, you could eat this apple. (もしお腹が空いていたら、このリンゴを食べてもよかった。)

仮定法:現実に起こりえない・限りなく実現する可能性が低いことを仮定したif節を仮定法という。仮定法ではif節で過去形または過去完了形を使う。

例:If you were hungry, you could have eaten this apple. (もしお腹が空いているとしたら、このリングを食べられただろう。)

上記の直接法の過去形で出した例文と、仮定法の例文は非常に形が似ています。

If you were hungry, you could eat this apple.(直接法の過去形)

If you were hungry, you could have eaten this apple. (仮定法)

二つの例文の違いは、話し手が「あなたがお腹が空いている」という状態が現実にありうると考えているか(直接法)、あり得ないと考えているか(仮定法)の違いです。

ちなみに時制も違いますが、ここでは触れないでおきましょう。

直接法の場合、話し手はIf you were hungryという状況があり得たと考えています。日本語を補足して訳すと、

(君がお腹が空いているか空いていないかわからなかったけど)もしお腹が空いていたなら、このリンゴを食べてもよかったんだよ。

というニュアンスです。

仮定法の場合、話し手はIf you were hungryという状況はあり得ないと考えています。おそらく30分前に焼き肉の食べ放題にでも行って、超満腹だったとか、そんな状態でしょう。日本語に訳せば、

(絶対に吐きそうなくらい満腹で、万が一にもお腹が空いているってことはあり得ないと思うけど)もしお腹が空いているなら、このリンゴを食べてもいいよ。

というニュアンスになります。

 

例文が豊富

「英文法解説」が分厚い理由には、他の文法書に比べても例文の量がかなり多く掲載されている点が挙げられます。

これには著者のこだわりもあり、基本的には例文に全訳がつけてあるのですが、自明と思われる部分の訳は省いて1行でも多く節約して、そのぶん多く例文を示すためにそうしたのだそうです。

例文が多いとその文法事項の使い方が分かりやすいですね。

参考書目の一覧には、「文法書・語法辞典」「一般辞書」共に、すべて洋書が記されており、それらを読めばより一層英文法への理解も深まります。

この本に掲載されている例文は、参考書目の中から抜粋された例文のため、ある程度長さのある文章です。

長い一行を数多く読むことで、長文読解をこなす訓練にもなるでしょう。

読むのが苦手という人も、読み終わる頃には文法理解ができた上でリーディング・アレルギーが治っているかもしれません。

加えて練習問題の数が圧倒的です。

そのほとんどは英訳・和訳なのですが、難易度が高めになっています。

翻訳の練習になるので、将来的に翻訳の仕事を目指す人は辞書を引きながらも頑張ってみてください。
 

索引の充実

巻末についている索引が「文法事項」と「語句」に分かれています。

文法事項だけでも8ページもある膨大さですが、語句にいたっては2000以上もの項目が19ページにわたって掲載されています。

大学入試などに役立つ慣用表現と、動詞を中心とする重要構文を一覧で見ることができます。

試験前などに目を通しておくことを推奨します。

また文型一覧もついているので、こちらも確認用に見ておき、分からない項目は再度そのページに戻って復習する使い方をすると力が付きます。
 

まとめ

この記事で解説してきた「英文法解説」は、60年以上にわたって日本の英語学習者たちに愛用され、今なお根強い支持を得る英文法解説の名著中の名著です。

TOEICや英検などの試験対策用に向いている本ではありませんが、英文法をマスターしたい、英語のプロとして食べて行きたいと思っている方は絶対に手に入れたほうがいいと思います。

「翻訳英文法」の著者がなぜこの本をテキストとして選んだのか、一読した今となっては理解できます。

もともとそういった人のための解説ですが、高校生でもわかるように易しい言葉にしてあります。

そのために改訂版ですら3年の年月を費やして執筆されたものなのだそうです。

英文解釈・英作文・英文法を三位一体にした総合参考書を目指して書かれた本です。

さらに自身の英語力をレベルアップを図りたい方は、ぜひ読んでみてください。

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