
最近になって英語に関するコラムを書かせていただくようになりました。
学生時代は化学の分野で大学院まで進み、投稿論文や博士論文を英語で執筆したりもしました。
ここまで聞くと、英語ができる自慢をしているように思われるかもしれませんが、そうではありません。
英語を苦手と感じたことはありませんでしたが、今日に至るまでに幾多もの挫折を経験しております。
今から思うとかなり遠回りしたものだと感じます。
人の失敗経験から得られる知見もあるのではないか。
そんな思いから私の経験を共有させていただき、少しでも皆様の英語学習のお役立てたらという思いから本記事を執筆いたしました。
海外渡航で英語挫折を経験
海外渡航1回目(ハワイ)
大学院の時に国際学会へと参加することになりました。会場はハワイです。
国際学会以前に、海外への渡航自体が初めての機会でした。
ハワイは日本人ばかりだし、とにかく楽しいところ。
そのように聞いていたし学校英語もまずまずできていたし、まぁ現地で英語に困ることはないと思っていました。
でも全くそんなことはありませんでした。
まずホノルル空港に到着してからはバス移動となっていましたが、どのバスに乗っていいか分かりません。
「このホテルに行きたいのですがどのバスに乗ればいいですか?」
このように聞けば済む話なのですが、この程度の英語すら出てこないのです。
何とかして乗るべきバスを見つけホテルまでたどり着くことができましたが、今度はホテルのシャワーをどのよう出せばよいかが分かりません。
これも海外あるあるのようですが、日本のホテルとは勝手が違っていたのです。
最終的には何とか英語で質問して解決したものの、結局初日はシャワーを使わずに何とか体を洗ってその場をやり過ごしました。
初めて経験する時差ボケも相まり、常に不安とイライラで落ち着かないまま滞在していたのです。
私の海外デビューはほろ苦いものとなってしまいました。
海外渡航2回目(アイルランド)
その2年後にまた別の国際学会に参加することになりました。
今度の場所はアイルランドです。
たった1回の海外経験から根拠のない自信を得ていた私でしたが、当然のようにそれもあっけなく打ち砕かれてしまいました。
依然として実戦力が足りていない上にアイルランド英語は訛りがきつかったのです。
何を言われているかがほぼ分かりませんでした。
外出するのが怖くなり、行動範囲はホテルから会場までおよびその周辺施設とかなり限定的なものとなりました。
また、食事もコンビニかファストフード店で済ませるなどして、とにかく会話しないで済ませようとしていました。
それでも宿泊先でLANを接続したかったので勇気を振り絞って方法を教えてくれと聞きに行きました。
しかし"wireless network", "LAN"などと言っても理解してもらえず、またもほろ苦い思い出だけが残ったのです。
英語論文執筆で挫折
おそらくこれが一番の挫折でしょう。
博士課程に進学すると英語で論文を執筆する機会があります。
英語で論文を書くことができれば世界中の人に自分の研究を認識してもらえる。
そのような思いを抱いたことも博士課程へと進学した理由の1つでした。
しかし、いざ着手してみるとこれがなかなか書けないものです。
何とか書き上げてみたののの、次に待ち受けていたのは指導教官からの修正の嵐です。
原形がほぼ残らないくらいまで修正され、直した原稿もまたしこたま直され。
これではもはや修正ではなく作文です。
挙句の果てには「英語が下手くそ過ぎて、そもそも言いたいことが分からない」とまで言われ。
そんなことを1年間繰り返した後、ようやく提出することができましたが、
『私は英語ができない』
この時にははっきりと気付かされました。
わたしの英語挫折体験談・まとめ
ここで挙げた3つの挫折経験について共通することがあります。
それは事前の準備が不足していたということです。
ハワイにしろアイルランドにしろ、行先や周辺施設の情報などを事前に調べてさえいれば今頃になって『ほろ苦い思い出』などと言わずに済んだかもしれません。
実際、英語論文については少し書き方を学んだだけで全く別物の文章が書けるようになりました。
ここで言いたいのは事前に英語力を上げておくべきということではありません。
英語を話す上で必要な準備は事前に確実にしておくべきだということです。
例えば海外に語学留学しても成果をあげられる人とそうでない人がいます。
事前にきちんと下調べをし、目的を持って取り組むんだ人こそが成果をあげられるのではないでしょうか。
私もこれらの挫折経験をして以来、英語を使用する場合はきちんと準備してから臨み、決して惰性では取り組まないようになりました。
皆様のご参考になれば幸いです。