海外で暮らしてみたい、誰でも一度は考えるのではないでしょうか。
テレビでは、毎日のように海外での暮らしを紹介する番組が放送され、「ああ、あんな国で暮らせたらな。」と今とは違う生活に憧れることも多いでしょう。
実際のところ、海外移住を実現できる人というのはそれほど多くはないかもしれませんが、夢物語ではなく将来的な人生プランとすることは可能です。
どの国に移住するにせよ、海外移住を目指す上で必ず考えなければならない2つの問題は仕事と語学についてです。
英語が出来ないけど、海外移住できるのだろうか?移住するのが先か?仕事を見つけるのが先か?
海外移住に興味がある人は、そんな疑問を持っている人も少なくありません。
そこでこの記事では、英語が出来ないけど海外移住をしてみたい!と思っている人が今すぐやるべきことについて、考えてみたいと思います。
海外移住と「英語力」
海外移住を考えて、そのプランを友人や家族に話したとき「え、お前英語できないじゃん」といわれることもあるでしょう。
英語圏以外に移住するつもりなら英語はできなくても、それほど重要ではないかもしれません。
むしろ英語よりも、その国の言葉を基本だけでも覚えるほうがいいのではないかと思うでしょう。
でもあなたは移住先で仕事を得なくてはなりません。
移住先で仕事を見つけるためには、英語力は強力な武器になります。
グローバル企業の現地法人なら同僚や上司、部下は、その現地の人ではなくそのほかの国から派遣されてきた人たちかもしれません。
多国籍の人が働いている企業の社内共用語はほとんどの場合英語です。
Harvard Business Reviewによると世界の人口75億人のうち約25%にあたる17.5億人が英語を話す人だそうです。
この17.5億人のうちネイティブスピーカーはたったの22%、残りは第二言語として英語を使用している人たちになります。
つまり、世界で英語を話している人のほとんどは非ネイティブスピーカーなんですね!
中国語やスペイン語も話している人口は多いものの、ネイティブスピーカーが占める割合が英語とくらべて非常に多く、世界的な共通言語としては、英語に軍配があがります。
となると、海外移住先で仕事を探そうとした場合、現地語がネイティブ並みに出来るかもしくは世界の共通語である英語が出来ればかなり有利に職探しを進めることが出来ます。
逆に海外で仕事を仕事を探しているのに英語も話せないと、かなり不利になることは間違いありません。
英語圏で働きながら、暮らしながら英語を身につければいいと考える人もいるでしょう。
そういう人は、ぜひ身近にいる英語圏でのワーキングホリデー経験者に話を聞いてみてください。
果たして、英語を話せるようになっているでしょうか?
もちろん、努力して仕事で使えるレベルになっている人もいると思いますが、ワーホリ経験者の多くが英語に挫折しているか、ちょっとできる程度で終わってしまっているか、そんなところです。
あまり知られていませんが、オーストラリアやニュージーランドでのワーホリ生活で英語の上達に不安を覚えた人たちが、フィリピンの英語学校に入って数か月英語だけを勉強するというケースも増加しています。
ということで回りくどくなりましたが、「英語ができない、けれど海外移住したい」と思う人は、まず今すぐに英語の勉強を始めましょう。
なぜかというと、移住を考えている国のビザを取ったり、短期間でも一度住んでみたり、その国の言語を学習するよりも一番すぐに、実行できることだからです。
ギリシャ語の先生はなかなか見つかりませんが、英語の先生はたくさんいます。
日本に居ながら独学できる教材も、無料で視聴できる学習サイトもあります。
そして英語を身に付けておくと、どんな国に移住しても強力な武器になります。
今すぐに行動する、それが夢を夢で終わらせない力です。
海外移住と「仕事」
これまで海外移住先で仕事を見つけるためには英語力が武器になることを見てきました。
でも英語ができなかったら海外で仕事がないのかというと、絶対に無理というわけではありません。
近年は、どこに行ってもForeign Domestic企業というものがあります。
これは、いわゆる海外にある日系企業で、上司も顧客も日本人(在住日本人や日本企業が相手)の企業のことです。
Foreign Domestic企業に勤めると、日常生活においては現地の言葉を必要とはするものの、仕事ではほぼ英語も現地語も必要がなく、日本語だけで済みます。
こういう企業が多いのは東南アジアです。
この仕事の傾向としては、収入が歩合であったり、基本給が低めに設定されていたりすることです。
それでも求職者が多いので、実際に採用される人は現地の言葉ができたり、英語ができる人だったりします。
海外での仕事を探して検索すると「英語不要」と書かれているものも割とたくさん見つかります。
東南アジアのある国で美容師として働くYさんは、そんな求人広告を見つけて海外移住したうちの一人でした。
Yさんは英語も現地語もまったくできませんでした。
就職先のサロンは、日本人のお客様がほとんどで接客にも困りません。仕事を決めた時も「英語は必要ありません」と言われたそうです。
ところが、サロンが軌道に乗ってくると現地の富裕層がたくさん訪れるようになり、そういったお客さんとコミュニケーションを取らなければならなくなりました。
東南アジアでも富裕層になると一般教養として英語を話せる人が多いですし、日本のセンスや技術を見込んで日系のサロンを利用する人も多いのです。
でもYさんは現地語も英語もできないので、意思疎通ができなくてストレスがたまってしまい、せっかく専門性を生かして移住してきたのに仕事に行くのがつらくなってしまったそうです。
結局Yさんは現地にある英語の語学学校で英語を1から勉強することを決めました。
海外でゆとりをもって暮らせる収入を得ようとするなら専門性が不可欠なことは確かです。
特に工業系の専門技術、金融系の知識と経験、調理師、美容師や看護師などといった職業についていて経験がある程度ある人は、海外でも重宝がられます。
ですが、結局英語か現地語ができないと、長続きしないことになるのです。
将来海外移住したい人が今すぐに始められること
自分は専門性もないし、英語もできない・・・そんな人はどうしたらいいでしょうか。
日本での生活が嫌になったからという逃避的な感情にしろ、あの国暮らしてみたいという憧れにしろ、不労所得や資産が十分にある人以外、「お金」=「仕事」なしでは、どんな国、どんな場所でも生きてはいけないということは明らかです。
あきらめるか、それとも今すぐに行動を起こすか、どちらかしかありません。
若い人であれば、今から仕事の専門性を高めていくこともできます。
また、今、働いている会社で海外駐在のチャンスがあるなら、そのチャンスをつかむことも視野に入れるべきです。
最も簡単に、今すぐにでも始められるのは英語の勉強です。
これまで見てきたように、どこの国に移住しようとも、どんな仕事につこうとも英語が出来ると強い武器になります。
英語が出来ないけど海外移住をした人のブログをいくら読んでも、あなた自身のスキルアップ(仕事、語学)にはつながりません。
海外移住をするのはあなた自身なのですから、自分のためにできることを今からすぐに始めましょう。
日本の東北の大地震以降、いわゆる安全を求めて海外移住を希望する人が急激に増えました。
また離婚を機に子どもと海外で暮らす決意をするお母さんの姿もそこかしこにみられるようになりました。
日本での生活になじめない若者もいます。
退職後、年金だけでも悠々自適に暮らせるからと東南アジアに移り住む人たちは、もう珍しい存在ではなくなっています。
そんな中で、「海外で、働いて、暮らす」という選択をする人にとって、「移住先で仕事を得る」ということと、「語学力」の問題は、切実です。
日本から仕送りがある、年金がある、あるいは、ある程度の資金がある、そんな人たちとは違います。
仕事がなければ帰国するしかない、最悪、帰国することすらかなわずに困窮邦人として生きることになるかもしれないのですから。