「英語が得意なので、それを生かして外資系企業に就職したい」
「グローバルに働く機会が欲しいから、外資系企業に転職したい」
「普段の仕事で海外のメンバーと仕事したいので、外資系企業で働きたい」
英語力に自信があったり、海外経験が豊富な方の中にはこのような考えを持たれている方も多いのではないでしょうか。
私は新卒採用で外資系のITコンサルティング企業に就職しました。
もともと、将来は海外で、もしくは外国人と一緒に仕事がしたい、グローバルに働きたいと思っていたので、就職活動の際は「海外」「グローバル」「外資」といったキーワードを軸に企業を探していました。
そんな私が外資系企業に運よく採用され、その後感じた外資系企業における英語の必要性や現状についてご紹介したいと思います。
これを読むことで、「外資系企業における英語の必要性」や、「英語力は仕事で生かせるのか」といったことがわかると思います。
外資系企業と英語力については私が書いたこちらの記事もご参照ください。
https://eigogym-hikaku.net/post-979/
英語が出来れば外資系企業で活躍できるの??
外資系のITコンサルティング企業で働いていた経験から私が強く感じたのは、「英語力だけではダメ」だということです。
もちろん、英語ができない人に比べれば、英語をビジネスで使えるレベルまで力を持っている人は確かにアドバンテージがありますし、グローバルプロジェクトにアサインされる可能性は高くなります。(ここでいうグローバルプロジェクトとは、海外メンバーと現地支社で一緒に仕事をしたり、日本にいても日常的に海外メンバーと仕事をするプロジェクトのことです)
ですが、「英語ができる」という自信だけでは通用しないというのが、私が感じたことです。
これは私の同期の話なのですが、彼は学生時代に海外留学を経験しており、その経験から将来はグローバルに活躍できる人材になることを目指し外資系企業を選んだそうです。
彼はグローバルプロジェクトにアサインされることを当初から希望しており、直属の上司に入社時からずっとアピールしていました。
そして、とうとうグローバルプロジェクトにアサインされ、海外で仕事ができるかもしれないというチャンスが巡ってきたのですが、結局彼の代わりに別の中途入社の社員がアサインされてしまいました。
その理由は、「業務知識と経験の差」だったそうです。
この時のプロジェクトは日本の某大手銀行の海外支社案件だったのですが、彼の代わりにアサインされたのは元銀行マンの社員でした。
私の同期の彼は、英語力に関してはアサインされた社員よりもずっと優れていたものの、仕事をする上で必要な業務知識や経験は全く及んでなかったのです。
コンサルティング会社の業務は多岐にわたりますが、クライアントと仕事をするには、その分野に関してはかなりの専門知識がある・経験がある必要があります。
英語力があるだけでは、専門知識・業務経験の不足を補えないのです。
もちろん、両方ある人が一番いいのは言うまでもありません。
国内企業でも同じだと思いますが、外資系企業でも基本的に新卒入社で就職した社員は、その後様々なプロジェクトを経験して業界知識や経験を積んでいきます。
ただそれは、時間やプロジェクト資源に比較的余裕がある国内プロジェクトで行なわれます。
海外クライアントや海外社員と一緒に仕事をするグローバルプロジェクトにおいては、新卒社員を教育している余裕がありません。
そのため、グローバルプロジェクトでは業務知識と経験を持ち合わせ、クライアントの抱える問題の背景にも精通している人材の方が即戦力として採用される傾向があります。
私の同期の彼が経験したのはこのパターンでした。
彼はこの出来事が、「外資系企業でも英語力を持っているだけでは通用しない」ということを思い知る良い経験となったと言います。
その後、彼がどうなったとかと言えば、やはりグローバルプロジェクトで仕事をする夢をあきらめず、様々な国内プロジェクトを経て経験を積み、また業務知識を付けるために様々な資格を取得するなど努力を続けました。
その結果、念願叶ってグローバルプロジェクトにアサインされ、現在ロンドンで海外メンバーと一緒に仕事をしています。
これはあくまで一つの例であり、グローバルプロジェクトで求められる英語力や業務知識のレベルは様々ですが、「英語ができるからという自信は仕事をする上では通用しない」、ということを私はこの話を通して強く感じました。
まとめ
外資系の企業に勤務していた私の経験から感じた体験談、いかがでしたでしょうか?
国内企業でも何時だと思いますが、外資系企業でも専門知識>英語力なのです。
「英語が得意なのでグローバルプロジェクトで働きたい」や、「海外で働きたい」という方はたくさんいらっしゃると思います。
しかし、ぜひ英語力だけでなく「英語を使って何をしたいのか」を常に意識して日々いろんな知識を学んでいくことを続けていただきたいと思います。